アキレスと亀2
【前回までのあらすじ】
古代ギリシャの哲学者ゼノンの刺客「飛んでいる矢は止まっている」「二分法」を無事論破したジョジョだったが、最強の敵アキレスと亀を論破することはまだ出来なかった・・・。
ゼノン「"矢"や"二分法"が論破されたようだな」
亀「クククっ、奴らは我ら四天王の中では最弱!」
アキレスがP1に来ると亀はP2に来ていて、アキレスがP2に来ると亀はP3に来ています。これは永遠に繰り返せるのでアキレスは亀に追いつくことはできません!
アキレス「あ・・・ありのまま今起こったことを話すぜ!俺は亀のいた点P1に進んだが亀はその少し先にある点P2に進んでいた。俺はさらにP2に進んだが、亀はそのさらに先にあるP3に進んでいた。な・・・なにを言ってるのかワカらねえーと思うが俺も何をされたのか分からなかった・・・。頭がどうにかなりそうだった・・・。催眠術とか超スピードとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっとも恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・」
アキレスが亀を追い越すには、アキレスだけが前進して亀が停止している瞬間が必要ォォォォッ!!
しかしっ、アキレスが亀を追いかけ続けても、永遠にその瞬間はおとずれないィィィィっ!!!
ゼノン「猿が人間に勝てるか?お前はこのゼノンにとってのモンキーなんだよジョジョォォォー!!」*2
ジョジョ、大ピンチ
しかし、その時ジョースター卿はこう言いました
「アキレスが永遠に追いかけても、亀が停止しないと追い抜けないって?
逆に考えるんだ。亀が停止しないと追い抜けないのなら亀を止めちゃえばいいさって考えるんだ!!」
そ、そうか!
ジョジョ「亀をっ!! 抜くまでっ!! 僕は追いかけるのを止めないっっ!!!」
ザ・ワールドッッ!!
ババーン! ド・ド・ド・ド・ド・ド
ゼノン「ハッ!!ここはっ!?」
ジョジョ「ここは虚無の空間だ。何も無い空間に亀をおいた」
ゼノン「・・・それで?」
ジョジョ「この空間で前進してみるがいい」
ゼノン「そんなことはたやすいことだっ、それっ!」
ゼノンの亀はスタンドの力を使って超スピードで前進を始めました。
ジョジョ「なにをしている?さっさと前進しろ」
ゼノン「もう前進している。今光速を越えたところだ。」
ジョジョ「止まっているじゃないか」
そうです。何も比較するものが無い虚無の空間に亀だけがいるのであれば、時速1kmで移動しようが、光速で移動しようが「止まっている」のと区別がつきません。
だから、ゼノンが「亀は今、秒速30万キロで前進している!」といくら主張したところで
ジョジョ「亀は停止している。動いているというのであれば証拠を見せろ」
と言われれば何も反論できません。だって速度とは比較対象があってこそ始めて意味があるものなのですから。
さて、この空間にアキレスを置きます。
アキレスは秒速2m、亀は秒速1m、二人の間隔は2mです。
しかし、亀を基準点として考えた場合、これは以下と全く同じことです。
意外ッ!?亀は停止しているっっ!!
ジョジョ「最初から亀は前進などしていない。亀が前進しているというのは、ただの錯覚だったのだ!!」
ゼノン「ばかなっ!亀は前進しているはずだっ!!」
ジョジョ「前進している?だったらそれを証明してみろ」
ゼノン「UREYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYッッッ!!!」
ド・ド・ド・ド・ド・ド
けれど、まだ諦めきれないゼノンさん。必死に食い下がります。
ゼノン「しっ、しかしっ!点P1やP2はどこに行ったのだ!?アキレスがP1に行けば亀はP2に、アキレスがP2に行けば亀はP3に行くはずだっ!!」
ジョジョ「良くみろ、点P1やP2はちゃんとある」
ゼノン「何ぃっ!?亀の足元から、次々と点P1やP2がアキレスに向って流れて行くだとっ!?」
ジョジョ「そうだ。亀からアキレスに向って無限に点は流れ続ける」
ゼノン「ふははははっ!馬鹿めっ! であればアキレスは無限にその点を越える必要があるっ!!無限を超越しなければ、アキレスは亀の位置まで到達できないぞっ!!」
ジョジョ「よく見ろ。点がアキレスと交わるのは、アキレスと亀の中間点だ」
ゼノン「中、間、点だと・・・ハッ!?」
ジョジョ「気付いたようだな。そう、これは二分法と全く同じことっ!! つまりアキレスは"2秒"を無限に分割することにより、無限の点を超越して2秒後に亀の位置に到達するっ!!」
ゼノン「そっ、そんなバカなっ!?ジョッ、ジョジョォォォォォォォォッッッッッッーーーーー!!」
ジョジョ「オラッ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!! オラァァァッ!!」
ゼノン「ヒデブッッ!?」
ドゲシャアアアアアアアアアアアアッ!! ババーン!!
ジョジョ「ゼノン、お前の敗因はたった一つ。たった一つのシンプルな答えだ。てめえは 俺を 怒らせた」
ド・ド・ド・ド・ド・ド
おしまい