思い出のマーニー 感想と考察 9 (マーニーとの出会い~3つの質問)
※以下、ジブリの新作アニメ「思い出のマーニー」のネタばれが含まれています!!※
マーニー登場
気が付くと、岸辺にボートがおいてあります。マーニーのボートです。
ちなみにこのボート、マーニーの誕生日に買ってもらった新品のようです。
ロウソクが灯っているのは、映画のオリジナル設定ですね。たしかに夜の岸辺では、明かりがないとボートには気づかないかもしれません。
原作では「みがきあげたクルミ色」となっていましたが、映画では青色のようです。あと、例の錨が見当たらないですね。
大胆にもボートに乗って湿地屋敷に向かう杏奈。
でもそういえば、マーニーがボートを持ってきたとなると、マーニーはどうやって湿地屋敷に帰ったのでしょうね。道から帰ったのかな?
ロウソクが灯っていたので、ボートが岸辺に置かれてからはそう時間が立っていないように思えます。七夕祭りの開始が午後7時だとすると、杏奈が岸辺に来たのは7時半くらい?
時系列にするとだいたいこんな感じでしょうか?
きっとマーニーが湿地屋敷について、冷たいジュースでも飲んでいた頃に杏奈が来たのだと思います。ちなみに帰りも杏奈を送るためにまた岸辺までボートで一往復したので、この日はマーニーもクタクタになって夜もグッスリ眠れたのではないでしょうか?
ここでトラブル発生。オールが動かなくなります!
これも映画のオリジナルイベントです。
さて、果たしてマーニーが幽霊なのか?幻覚なのか?タイムスリップなのか?という疑問がありましたが、映画では幽霊説を取るのでしょうか?
とりあえず幽霊ポイント+1とします。
マーニーとの出会い。杏奈は思わず「あなた本当の人間?」と発言しますが・・・これ考えてみると凄い発言ですよね?
相手が可愛いマーニーだと「あなたはまるで夢のような人だ」というニュアンスに感じて問題ないのですが、もしマーニーの容姿が「信子」だったらどうなるのでしょう?
杏奈「あなた本当に人間?マジで?」
信子「・・・。」
あまり、深くつっこむのはヤメましょう。
さて、杏奈とマーニーはすぐに仲良くなり。マーニーはお互いの存在を「永遠に秘密」だと言い出します。
ここもちょっと原作と違いますね。
まず原作ではアンナはマーニーに対しても最初は人見知りな態度をとります。
角川版 P79
アンナは、ぷいっと背中を向けて言った。「無理することないよ」
興味も無いようです
角川版 P79
わたし、この不思議な子のこと、知りたいのかな?
アンナがマーニーを好きになるのは、次のシーンが最初です
角川版 P82
「ええ、もちろん。あなたのために、わざと置いておいたの。でも、まさかこげないとは思わなかったわ!」ふたりは暗がりの中でクスクス笑いあった。アンナは急に、このうえなく大きな幸せを感じた。
岸辺にあったボートが、マーニーが自分の為に用意してくれた物だとわかって嬉しかったんですね。
しかし映画の杏奈はすぐにマーニーが気に入った様子です。「永久に秘密」だと誓い合うふたり。
この「永久に」というセリフも映画で付け足されたものですね。女の子が好きそうなセリフなので、きっと観客へのサービスなんでしょう。
それにしても気になるのは、湿地屋敷に沢山生えていた雑草がキレイになくなっていることですね。
この日に草刈りでもしたのでしょうか?
マーニーとの出会い2回め
杏奈とマーニーは再び湿地で出会います。杏奈はマーニーにボートの漕ぎ方を教えてもらいます。
ここでお互いに3つずつ質問しようとマーニーが言い出します。
原作では質問はそれぞれ以下のとおりでした。
【マーニー】
- アンナはなぜここに来たの?
- アンナはひとりっ子?
- ペグさん夫婦の家での生活ってどんな感じ?
- アンナの家はどこにあるの?
【アンナ】
- マーニーは何人兄妹?
- プルートって誰?
- プルート以外に怖いものある?
・・・気のせいでしょうか?マーニーは4つも質問しています。
じつは、アンナがペグさん夫婦について答えられなかった(ど忘れ)ので、そのかわりに4つめの質問をしたのです。
ちなみにプルートってのは、マーニーが飼っている犬の名前ですが、この犬小屋は屋敷の表にあって、マーニーはこの犬が嫌いな様子です。
ペグ夫妻のことが思い出せず、マーニーが消えてしまうのは映画と一緒です。同時に、マーニーからはアンナが消えたように見えていました。
映画では以下の質問でした。
【マーニー】
- あなたは何故この村にいるの?
- おばちゃんって誰?
- 大岩さんとこの生活はどんななの?
【杏奈】
- あなたはあのお屋敷に住んでるの?
- 兄弟は何人?
・・・気のせいでしょうか?杏奈は2つしか質問をしていません。
そうです。大岩さんのことが思い出せないというイベントのせいで、3つめの質問ができなかったんです。
それにしても、この「大岩さんを思い出せない」のって、なんですかね?
現実世界を全て思い出せないのであれば、なんとなく解釈のしようがあるのですが、杏奈は小さいころの話や、養母の話はふつうに思い出せる様子です。
思い出せないのは大岩さん夫妻のこと限定のようです。
これについて原作・映画ともに明確な説明があるわけではないし、この映画の主題とも離れたところにある疑問なので、皆さんの自由な解釈にお任せします。