思い出のマーニー 感想と考察 3 (映画の時系列と原作の構成)
※以下、ジブリの新作アニメ「思い出のマーニー」のネタばれが含まれています!!※
原作小説を買った私。その足で喫茶店に入り、その日の内に全部読んでしまいました。
感想。
うーむ・・・面白い。
面白いですぞおおおおおお!!!
さきほど映画のマーニーをドラゴンボールで例えると「栽培マン」くらいと例えましたが、原作は「べジータ」くらいの面白さです!
原作は映画よりもずっと面白い、それが最初の印象でした。
おおまかな内容は映画も原作も同じです。
マーニーと出会う
↓
「許して!」「許す!」
↓
マーニーは祖母だった!!
しかし、映画版ではマーニーとの別れが物語の最後近くだったのに比べて、原作では半分くらいです。そう、原作では別れの後が長いんです!
物語の構成をもう少し詳しく書くと、映画版では以下の時系列だと思われます。
劇中でスクリーンに映る杏奈の養育費に関する役所から届いた手紙が、平成23年に発行された書類で、平成24年度に杏奈が中学校に入学してからの補助金に関するものだったようなので、恐らく物語は2012年(平成24年)の夏だと思われます。
2012/7/1〜25のいつか *1
写生中発作2012/8/4 (1日目)
大岩家に到着。夕方 湿地屋敷を発見。
満潮で帰れなくなるが十一のボートに乗せてもらう。2012/8/5 (2日目)
自治会のゴミ拾い。
十一のボートに乗せてもらう。2012/8/6 (3日目)
信子の家に行って七夕に信子と一緒に行く約束をする。この日信子は塾。
湿地で絵を描く久子を見かける。2012/8/7 (4日目)*2
七夕で信子に「太っちょブタ」と発言。
マーニーに出会う。2012/8/8 (5日目)
マーニーと入り江の奥へ行き3つの質問をする。
そのままパーティーへ参加。
夜、郵便局脇で眠っているところを住民により発見される。2012/8/9 (6日目)
湿地屋敷へ行くが無人。昼寝後にマーニーを忘れていたので、もう一度湿地屋敷へ。2012/8/15 (12日目)*3
彩香との出会い。日記の存在を知る。2012/8/16 (13日目)
霧の中でマーニーに会う。キノコ狩りなど。
そのままサイロへ。
夜、サイロの近くで発見される。
熱にうなされながら、マーニーとの別れの夢を見る。2012/8/17~19のいつか
彩香が見舞いに来る。
マーニーの過去を知る。2012/8/19
佐々木頼子、釧路に来る。
マーニーが祖母だと知る。2012/8/20 (17日目)*4
帰宅
この彩香というキャラクター。映画では兄との二人兄妹でしたが、原作では5人兄妹の次女になっています。
この5人兄妹のリンジー家とアンナとのふれあいが、原作版マーニーの後半なのです。
原作の話の構成は以下の通りです。
【原作の構成】
アンナ湿地にくる
↓
アンナ、リンジー家の人々を見かける
↓
アンナ、サンドラと喧嘩(太ったブタ!)
↓
アンナとマーニーの初めての出会い
↓
アンナとマーニーの二度目の出会い
↓
アンナとマーニーの三度目の出会いとパーティー
↓
アンナとマーニーの四度目の出会い
↓
アンナとマーニーの五度目の出会い
↓
アンナとマーニーの六度目の出会いとキノコ狩り
↓
アンナとマーニー、ほとんど毎日一緒にすごす
↓
風車小屋
↓
「許して!」「許す!」
↓
アンナとリンジー家の出会い
↓
アンナ、日記の存在を知る
↓
マーニーは祖母だった!
↓
帰宅
ちなみに、原作ではアンナが湿地に来てからマーニーと別れるまでの間は、どうやら5週間のようです。*5
小さな違いとして、映画でマーニーが恐れる場所は「サイロ」でしたが、原作では「風車小屋」です。たぶん、北海道にはサイロのほうがポピュラーなんでしょうね。
あとは、アンナとマーニーの交流が、小説の方が回数も多く頻繁です。
そしてもっと大きな違いとしては、映画版では日記の存在をマーニーとの交流の途中で知るのに対して、原作ではマーニーと別れた後に日記を知ることになります。
そしてリンジー家との交流。
アンナとリンジー家との交流は、全体の1/3程度、約300ページ中の100ページ程度あります。
マーニーとの出会いと別れ → 「先生と僕」
リンジー家との交流 → 「先生と遺書」
といった印象を受けました。
原作では「別れてからが本番」なのです。
帰宅するまでがマーニーです。
それ以外は映画も原作も、大体一緒です。